後期高齢者医療制度の疑問

標記の実施に伴い様々な問題点が浮き彫りになり、野党は廃止(以前に戻す)、政府与党は一部手直しで乗り切ろうとしている。しかしながら、一連の報道をみる限りでは医療保険に関しては(高齢者の医療に限っても)、野党が主張する以前の制度に関しても問題があると思うし、ましてや、政府与党の一部手直しは論外だと思う。

わが国の医療保険制度を検討するには、先ず何は置いても現在の医療保険の現状と将来予測を国民が納得する内容で示すべきである。この点の開示に対する努力が不足していると思う。我々庶民でもライフプラン(生活設計)をたてる際には、考えられる現在と将来の家族構成と必要とする支出と財源のバランスを計るのは当然である。

厚労省は、将来(平成25年度)必要とする高齢者の医療費を11兆円(?)と推定しているようだがこれらの根拠となる資料が国民に十分開示されているようには思えない。

次に、新制度においても、国民(後期高齢者)が負担する割合は10%であり、以前と変らないという。では何故負担増になると騒いでいるかと言うと、そこには2点の内容があるように思う。1点は新制度により仕組が変ったことのようだ。言わずもだが、以前の仕組よりは「より良き方向」の仕組でない限り国民に受け入れられないことは自明であり、もしそうなら、国民に丁寧な説明が必要である。

さて、私が問題と考えているのはもう1点のほうで、これまでの仕組には、地方によっては自治体より様々な「補助」があり、負担する割合が軽減されていたことだ。ある地方は患者が保険に定める負担金全額を払い、ある場所ではその一部を支払っていたことになる。これは国家が制定した制度の運営に関しては納得できることではないと思う。

本人の意志に係わらず国民皆保険として強制的に加入していることを抜きにしても、国民の義務と権利は同負担・同権利で受取るのが当然であり、住む場所によって、国家機関の出先と言えるような地方自治体により受益に差が出ることは、公的保険の精神に反しているはずだ。

以前に戻すことでも不十分と言うのはこの点であり、この不平等を含めた見直しがない限り、健全な保険とは言えない。繰り返しになるが、旧制度と新制度の「実体」を明確にし、負担と給付(医療サービス)を議論しなければ、この問題の真の解決は望めないだろう。


 
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